近年話題となり導入クリニックが増えている蓄熱式脱毛レーザーは、これまでの熱破壊式(単射式、ショット式)レーザーと異なり、肌への刺激や痛みが軽減されるため、痛みに弱い人でも安心して受けられるというものです。
従来は毛根部に毛の幹細胞が存在すると考えられてきたため、毛根を完全に破壊することも目的に作られた熱破壊式レーザーは痛みが強かったり、施術後に赤みや腫れが出やすいといった欠点がありました。 しかし最近の研究では、毛の幹細胞は毛根よりも浅いバルジ領域と呼ばれる部分にも存在することが解明され、毛根自体を破壊しなくてもバルジを破壊することで脱毛効果が得られるのではないかと考えられるようになりました。 従来のメラニン選択式脱毛は毛乳頭部がターゲットのため成長期の毛にしか効果がない(体の部位にもよるがワキ、腕では20-30%)のに対し、毛周期によらず脱毛が可能で産毛や金髪にも有効であるとされます。
一方、毛の再生に必要な幹細胞はマウスの場合は立毛筋の付着するバルジ領域に存在するのに対して、人の場合は毛包下端の外毛根鞘にあるとも考えられており、蓄熱式脱毛レーザーで長期的な減毛効果が得られるかどうかには議論があったり、治療のエンドポイント(どこまで照射するかの目安:赤みが生じる、痛みを感じるなど)が明確でなく、治療成績にばらつきが大きいといった指摘もあります。
Asclepion Laser Technologies社(ドイツ)のダイオード脱毛レーザーで、メディオスターネクストプロは同社の第5世代機種です。 ドイツの光学産業の本拠地イエナ・オプティカル・バレーをベースに研究開発を行い、国際的医療用レーザーシーンのリーダーとして35年以上にわたる実績があります。世界中に10,000人以上の機器ユーザーがおり、治療患者数は5,000,000以上といわれます。
同機はダイオードレーザーで、メラニンへの吸収性が高い808nmと深達度の高い940nmのレーザーを同時発振して幅広い対象に効率の良い治療が可能です。 ペルチェ冷却システムで前、同時、後冷却を行い施術時の痛み、不快感を軽減します。 多くの脱毛レーザーが未承認医療機器であるなか、2018年には薬事承認を取得しており、長期的な減毛効果を得ることを目的とした医療用レーザーとして認知されたということになります。
標準的なFREEZEハンドピースはワンショット照射のほか、スムースパルスモード(いわゆる蓄熱式モード:8-10J/cm2で毛1本あたり3-5回照射する)を用いて皮膚表面、毛の本体の炎症が少なく、痛みや不快感の少ない脱毛が可能です。 ビデオでは女性モデルの顔周りにワンショット照射、終盤では下腿を蓄熱モードで施術していますが、男性ヒゲは蓄熱モードで治療するのが一般的です。 痛みの少なく、スピーディな脱毛が可能な一方、デザイン脱毛など細かい照射は難しいところです。
ソプラノアイスはAlma Lasers(アルマレーザーズ社:イスラエル)開発の脱毛レーザーです。 同社は医療・美容機器の販売実績では世界トップ5に入り、高周波(RF)、超音波、レーザーなど様々な機器の取り扱いがあります。
ハンドピースモジュールを絶えず動かしながら照射する(in motion)、蓄熱式独特の照射による脱毛を、AlmaではSHR(Super hair Removal)と呼んでいます。
トリオハンドピースでは755nm(アレキサンドライト)、810nm(ダイオード)、1064nm(Ndヤグ)3波長同時照射によってさまざまな深さ、色のムダ毛に対応します。
先端が径5ミリ程度と細く、角度のついたフェイシャルチップを装着することで、眉毛、耳毛や鼻毛などの脱毛が可能なのも特長です。
現在、最上位機種はソプラノアイス・チタニウムで、脱毛処理スピードはプラチナムの2倍となり、全身脱毛も1時間程度で終了するといいます。
BLUECORE社(韓国)の医療レーザーです。 Lasyaは808nm単独のダイオードレーザー機種です。
上位機種のLasya trinityは755nm、808nm、1064nmを使用します。
イタリアDEKA社が開発したロングパルスアレキサンドライト型の連続照射式レーザーです。
詳しくはこちら
イタリア・フィレンツェに本社を構える、DEKA M.E.L.A.SRL(デカ・メラ社:通称デカ)は、世界各地に26のハイテクカンパニーと約1,000名の従業員を傘下に治める Electronic Engineering SpA(エレクトロニック・エンジニアリング社:通称エレン)の医療機器製造部門として、1991年に設立されました。医療分野に使用されるレーザーには様々な種類がありますが、1つの会社が市場に存在する全てのレーザーを自社で開発・製造、販売することは技術的にも、経済的にも難しいとされています。
こうした中、エレングループという強力なバックグラウンドを持ったDEKA社は、世界市場で医療用として商品化されているあらゆる種類のレーザーを全て製造している、世界でもきわめて珍しい会社の1つとなっています。
現在DEKA社は、このような幅広い商品群を武器に世界120カ国以上と取引を行っており、CO₂、Diode、DYE、Nd:YAG、Er:YAG、Ho:YAG、KTP、Nd:YAPといった各種レーザーを光源としたレーザー治療機器を約30機種、世界の様々な医療機関に提供しています。